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Nepali Bus Madness

早朝5時半起床。今日はトレッキングの前後合わせて計4週間過ごしたポカラを離れ、お釈迦様生誕の地、ルンビニへ向かうのだ。

ポカラからルンビニヘ:ネパールローカルバスはスリル満点

早朝5時半起床。今日はトレッキングの前後合わせて計4週間過ごしたポカラを離れ、お釈迦様生誕の地、ルンビニへ向かうのだ。

タクシーをひろってポカラダムサイドのツーリストバスステーションへ。途中フェワ湖の前を通ると、湖面から蒸気が立ち上がっていてなんとも幻想的。そういえば、「ポカラに行ったら自分の代わりにフェワ湖で一泳ぎしてきて」と友人に言われてたんだっけ。結局実行できなかったなぁ…。

一生の思い出

一生の思い出

バイラワ行きのバスに乗ってからも、窓の外に見え隠れするマチャプチャレを名残惜しく見た。この小さな湖沿いの田舎町に4週間とちょっと長居をしたけれど、おかげで仕事も終えることができたしのんびりもできた。なによりここから出かけたアンナプルナ・サーキットのトレッキングと、そのハイライト、トロン・パスでのプロポーズは一生忘れることがないだろう。また来るよ、ポカラ!

ちょっと感傷にひたりながらポカラを出発し、毎度のことながらシステムのよくわからない極めて非効率、しかし事故あり喧嘩あり笑いありの見所満点、飽きのこないローカルバスの旅が始まった。

ネパールのローカルバスの様子を説明すると、まず、バスの運転は運転手と助手1,2名で行う。なぜ助手が必要かというと、それはネパールの道路事情による。ネパールの道路は舗装されていない場合が圧倒的に多く、ほとんどが1車線だ。山道でもガードレールなどなく、対向車が来たら交互に通るしかない。トラクターやリキシャ、馬車も通るため、どんどん追い越ししていかないといつまでたっても目的地につけないことになる。

バスの中はキッチュでカラフル

バスの中はキッチュでカラフル

大型バスがスムーズに事故なく運行するためには、運転手の目だけでは不十分なのだ。ましてやバスの上には乗客の荷物や配達する荷物が山積みになっていて安定も悪い。だから、助手が昇降口のドアから常に身を乗り出すようにして辺りの様子に気を配り、穴があったと言っては口笛で運転手に知らせ、他の車を追い越す時にぶつからないよう確認しながら連携して運転するシステムになっている。

とまあそこまではチームワークが良くていいね、と感心していれば良いのだが、問題は運行が予定通りでないことが多い点だ。出発が少々遅れるのはいいとして、とにかく途中停車が多い。決まったバス停や町でお客を拾う、というより、場合によってはお客を探して歩いているような感がある。

長時間にわたるバスの旅の間、暇にまかせていろいろとバスのシステムについて推測を立ててみた(どこかで英語のできる人に聞けばいいんだけど、いつも聞くのを忘れる。わからないことがあった方が世の中楽しい?!)。

バスの運転手とその助手たちは正規チケットを購入して乗ってくる乗客のほかに途中の道筋で乗る客を探し、その乗車料金を自分たちで分けている。いわば途中で人を乗せれば乗せるほど自分たちの取り分が増える仕組みになっている。

こう考えると、事前に確認したルートや時間とはまちまちの運行状況なのも納得がいく。たとえば今回などは途中から高速道路にのるはずがなぜか普通の道路をひた走り、途中で地元の人を拾ったり降ろしたりしている。高速に乗ってしまうと、時間通りに目的地には着けるかもしれないけれど、乗車料金の分け前が減る。だからルートを変えて普通道路を走り、当然出る遅れはものすごいスピードで飛ばしまくって取り戻す(努力はする)。無理な追い越しをかけるものだから、途中でトラックやほかのバスの運転手と怒鳴りあいも発生するし、前の座席に乗っていた韓国人の女の子たちは生きた心地がしなかったようだ。あとで聞いたところによると、運転手の息は酒臭かったそうだ。おいおい…。

乗せられるだけ乗せる、のがルール

乗せられるだけ乗せる、のがルール

ローカルバスだから、当然乗客も地元の人がほとんどなわけで、よっこいしょ、と乗ってきたおばあさんの腕には子ヤギが抱えられていたり、厳重に荷造りしてある大型の箱の中に詰め込まれた鶏がいきなり時の声を上げて眠っていた乗客を起こしたり、なんてこともあった。バスが宅急便の役割をする部分もあるようで、途中の農家の軒先に立って待っていたおばさんと交渉が成立、穀物の大きなサックが運び込まれたり、コーラ1箱を次の村の店先に届けたり。見ていて飽きないのは確かだが、その分着実に到着が遅れていく。

今回のバスは7時間で目的地到着と聞かされていたけれど、バイラワに着いたときには既に午後5時、延々10時間のバスの旅となっていた。

バイラワからは、同じようにルンビニに向かうというIanとJosieのカナダ人カップルと共に乗合Jeepでルンビニのバザールに着くと、なにやら高名なチベット僧が訪問中ということでいたるところあずき色の袈裟姿のお坊さんたちでごったがえしている。なんとかゲストハウスに空室を見つけ、明日に備えて早々に休むことにした。明日は午前中にルンビニ散策、そしてついにインド入りだ!